中国アルミ価格事情
皆さんは、“NSPルール”をご存知でしょうか?
NSPは”New Standard Price”の略で、NSPルールとは”アルミニウムの地金相場を実勢価格に反映させる為のルール”です。
基準となる相場価格は、日本経済新聞に掲載される、月間平均相場を基準とし、計算方法は”3ヶ月間平均+10JPY(運送など手数料)”で算出されています。
例えば、
・2010年06月の月間平均相場 219.2JPY/kg
・2010年07月の月間平均相場 217.3JPY/kg
・2010年08月の月間平均相場 224.9JPY/kg
・3ヶ月平均 220.5JPY/kg ⇒ 1円単位四捨五入 ⇒ 220JPY/kg
・2010年10~12月適用価格は 220JPY+10JPY=230JPY/kg※ となります。 ※弊社実績にて
つまり、3ヶ月毎に材料価格が更新されますので、アルミ材料を使用する製品の販売価格も3ヶ月毎に更新されることになります。
価格は、高くなることもあり、安くなることもあるわけですが、材料価格の透明性が保たれるため、日本国内では広く運用されています。
話は変わり、アルミニウム生産量の世界第1位はどこの国かご存知でしょうか。
答えは中国です。
中国は世界第1位のアルミ生産国であり、その生産量は全世界の約3分の1を占めていると言われます。加えて、アルミ消費国の世界第1位もこれまた中国です。ちなみに、日本は殆ど生産していませんが、消費国としては世界第3位だそうです。
今回は、アルミニウムの生産量および消費量ともに世界第1位の中国では、どのような地金相場があり、どのように価格調整しているのか、についてご紹介したいと思います。
先ず、地金相場ですが、弊社実績では、現在2種類の地金相場で取引しています。
1つ目はLME(London Metal Exchange)です。
LMEはロンドン金属取引所と呼ばれる非鉄金属専門の商品取引所で、ここで取引されるLMEアルミニウム価格がアルミニウムを取引する際の国際的な価格指標となっています。
通貨はUS$で設定されています。
2つ目は長江レートです。これは長江デルタ経済圏内から材料を購入する場合に適用される中国国内の地金相場です。通貨はRMB(中国元)で設定されます。増値税も含まれています。
中国国内相場としては、長江レートのほかに、広州レートや天津レートなどもあります。
中国ローカルメーカーの場合、基本的に、原材料メーカーが所在する経済圏のレートが適用されます。
但し、購買力のとても強い企業は、中国国内どの地域から購入しても、自社が所在する経済圏のレートを適用させている場合もあるようです。
相場の変動について、LMEの場合、月間平均相場による取引が基本となります。
弊社では、材料メーカーとの取り決めにより、NSPと同様に月間平均相場の3ヶ月平均で運用しています。香港から中国内地への運送など手数料としては+US$0.1/kgが一律加算されています。改定時期は日本国内のNSP価格変動時に合わせて実勢価格へ反映されています。
一方、長江レートのような、中国国内レートは時価が基本です。つまり、毎日価格が変動しますので、購入毎に価格が変わることになります。
しかしながら、購入材料ロット毎の価格変更は管理に手間が掛かり、現実的ではありません。このため、対策として、例えば±5%を上回る相場の変動がない場合、価格は変更せず、3ヶ月毎に改定するなどの方法を用います。
参考に、各地金相場の2010年6月~8月実績を比較してみます。
弊社の場合、中国国内で適用している地金相場は、まだLMEが主流になっています。
ですが、前述のように、生産量・消費量ともに世界1位の実績に加え、益々中国元が強くなる状況を考慮しますと、中国国内相場価格による取引が基本となる日もそう遠くなさそうです。
